気性の荒い名馬を手なずけ、その潜在能力を100%引き出す手腕において、彼の右に出る者はいない。オルフェーヴルが魅せた桁外れの強さと時に見せる制御不能な暴走癖、その両方を受け止め切ったのは彼だけだった。ゴール後に振り落とされながらも笑顔を見せたあの光景は、人馬の一体感と信頼関係の象徴として今も語り継がれている。
一筋縄ではいかない馬の個性を否定せず、むしろそれを武器へと変えるアプローチこそが、彼の騎乗の真骨頂である。馬の感情の変化を皮膚感覚で感じ取り、瞬時の判断でアジャストしていく作業は、AIやデータ解析が進化しても決して再現できない領域だ。