有名人が宗教団体の標的になりやすい理由は明白だ。彼らが持つ「知名度」と「社会的影響力」は、組織の信憑性を高めるための格好のツールになるからである。社会的な認知度が高い人物が一人でも讃同を示せば、一般の勧誘におけるハードルは一気に下がる。
関係者への取材によれば、接触の手法は極めて巧妙だったという。最初から「統一教会」の名を出すことはまずない。ダミーの文化団体やNGO、国際平和を標榜するイベントの実行委員会などを経由し、オファーが持ち込まれる。「社会貢献」や「世界平和」といった美名に惹かれ、正体を知らないまま挨拶や寄稿に応じてしまったタレントも少なくない。
芸能界という過酷なプレッシャーに晒される環境も、心の隙を生み出す要因となった。将来への不安、孤立感、人間関係の悩み。そうした弱みに寄り添う形で接近する手法は、一般信者への勧誘と何ら変わらないのだ。