羽黒山、月山、湯殿山からなる出羽三山。この修験道の聖地がもたらす清冽な水と豊かな土壌が、鶴岡の伝統的な郷土料理の根幹を支えている。春には雪解けとともに芽吹く山菜、夏には芳醇な香りを放つだだちゃ豆、秋にはキノコや根菜が食卓を鮮やかに彩る。
何世代にもわたって種が守られてきた「在来作物」は、現代の品種改良された野菜にはない力強い味わいと特有のクセを持つ。修験者の精進料理に端を発する滋味深い味わいは、現代の疲れた身体に心地よく染み渡る。単なるノスタルジーではない。自然のサイクルと同調して生きる人間の智恵が、一品一品に息づいている。