Mrs. Green Apple「Wanted! Wanted! 」歌詞の全貌と大森元貴が込めた魂の叫び

Mrs. Green Apple「Wanted! Wanted! 」歌詞の全貌と大森元貴が込めた魂の叫び

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大森元貴が「WanteD! WanteD!」をどのような感情で書いたかを理解するには、ドラマ「僕たちがやりました」の世界観を知ることが不可欠だ。同ドラマは、爆発事件を起こしてしまった若者たちの罪と逃避を描く問題作。「楽しみたい、でもどこかで歯車が狂っている」という登場人物たちの状況は、大森自身が歌詞に込めた主人公像と驚くほど重なる。

各種インタビューメディアの報道によると、大森は制作当時のインタビューで「自分の中にある醜い感情──嫉妬とか、誰かを羨む気持ち──から目を背けずに書いた」という趣旨のコメントを残している。日本の多くのポップスが「きれいな感情」を歌う中、あえて「あの子は馬鹿でスラスラ生きれている」という毒を含んだ嫉妬心を一人称で書いた点は、当時の音楽業界でも異色の試みとして受け止められた。

注目すべきは、この「醜い感情の告白」が自己批判で終わらない点だ。サビの「WANTED! WANTED! 僕らは生きている/間違いながらも」という言葉は、その醜さも含めて「生きている証拠だ」と肯定する構造になっている。これは西洋の自己啓発的な「ポジティブ思考」とは異なる、より日本的な「業(ごう)を負ったまま前進する」という美学に近い。大森元貴の歌詞が他の多くのJ-POP作家と一線を画す理由のひとつがここにある。

また、「焦らなくていい? 少しずつ気づいてゆけばいい?」という反語的な問いかけのフレーズも見逃せない。このクエスチョンマークの使い方は、答えを押しつけるのではなく、リスナー自身に内省を促す設計だ。音楽プロデューサーの視点で見ると、このような「余白の作り方」は作詞技術として高度なレベルにある。

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井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。