犯行の核心となったのが、いわゆる「頂き女子マニュアル (おぢ攻略PDF)」と称されるデジタルコンテンツだ。ここには、ターゲット選びからメッセージの返信間隔、感情を揺さぶる「魔法の言葉」に至るまで、細かなノウハウが体系化されていた。
特筆すべきは、秘匿性の高い暗号化チャットアプリTelegramを悪用した拡散エコシステムである。著者は自身のファンコミュニティや購入者限定グループを構築し、PDFファイルの販売だけでなく、購入者同士で「戦果」を報告し合う場を提供していた。これにより、罪悪感を麻痺させる心理的同調圧力が形成され、無数の「二匹目のドジョウ」を生み出す悪循環が完結していた。
心理学の専門家は、このノウハウが認知バイアスと返報性の原理を極限まで悪用したマインドコントロールの手法と合致すると指摘する。一度資金を投入した被害者は、「これまでの支援を無駄にしたくない」というサンクコスト効果によって、さらなる要求を拒絶できなくなっていく。