「宵越しの銭は持たない」という江戸っ子の気風と混同されがちだが、この格言の根底にあるのは単なる「使い切り」の推奨ではない。文化庁の国語調査や各種の故事ことわざ辞典でも整理されている通り、お金は一箇所にとどまるものではなく、人から人へ循環しながら価値を生み出し続けるという原理原則を述べている。
自己満足のためだけの無計画な散財は、ただの「消費」あるいは「浪費」に過ぎず、循環の波に乗ることはない。一方で、自己研鑽や他者への貢献、あるいは事業への投資として使われた資金は、新たな信用と富を生み出し、より大きくなって手元に戻ってくる。この「生き金」と「死に金」の違いを見極める視点こそが、現代人に求められる真の意味でのマネーリテラシーだ。