1988年、爆風スランプは大きな転換期を迎えていた。圧倒的なスラップ奏法でバンドのサウンド的骨格を支えていた天才ベーシスト・江川ほーじんの脱退が決まったのだ。音楽的な方向性の違いやバンドの将来を巡る葛藤の中、長年苦楽を共にしてきた仲間を送り出すため、ボーカルのサンプラザ中野くんとギターのパッパラー河合がペンを取った。
当初、別のテーマで準備されていた楽曲の歌詞は、江川の脱退が確定したことで全面的に書き直された。「走り去る彼を見送るのではなく、自分たちもそれぞれの道を走り続けるのだ」という決意。ソニー・ミュージックレコーズから発売された5枚目のアルバム『HIGH LANDER』に収録され、シングルカットされた『Runner』は、まさに脱退する江川ほーじんへ贈られた極上の「送別歌」であり、友情の証だったのだ。