歴史ブームは展示室の中だけに留まらない。2026年春、JR西日本やJR九州、各自治体が共同で始動させた広域観光プロジェクト「維新クロスロード」が、国内外の旅行者を魅了している。龍馬が歩んだ京都の路地裏から、西郷が思いを馳せた桜島の麓までを、高速移動とAR(拡張現実)技術で体感できる体験型ツアーだ。
特に人気を集めているのが、伏見の寺田屋周辺や鹿児島の加治屋町周辺で開催されている「インタラクティブ歴史ミステリー」。スマートフォンをかざすと、かつて二人が交わした対話や史実の背景が画面上に立体再現される。週末には若者や外国人観光客が押し寄せ、ゆかりの地はかつてない熱気に包まれている。歴史文化財を単なる遺物としてではなく、生きたコンテンツとして再定義する試みが実を結んでいる。