日本列島には数十種類ものキイチゴ属が自生しており、豊かな森や林道沿いはまさに天然の果樹園といえます。野外で見つけやすく、生食やジャム加工に適した代表的な種類をピックアップしました。
1. クサイチゴ(草苺)
名前に「草」と付きますが、実際は木本性の落葉小低木です。日当たりの良い土手や道端に群生し、春先に大柄な白い5弁花を咲かせます。5月中旬〜6月頃にルビー色の柔らかな実をつけ、酸味が少なくなめらかな甘みが広がります。
2. モミジイチゴ(紅葉苺)
葉がモミジのように切れ込んでいるのが目印の黄色い木苺です。東日本を中心に広く自生し、下向きに透き通った橙黄色の実をつけます。野生イチゴの中でもトップクラスの糖度と芳醇な風味を誇り、「野いちごの女王」とも称される絶品です。
3. カジイチゴ(梶苺)
トゲがほとんどないため収穫しやすい大柄な木苺です。カジノキに似た大きな葉を持ち、初夏に大粒の黄金色の実をつけます。果汁が豊富で癖がなく、生食はもちろんペクチンを多く含むためカジイチゴのジャムに加工すると鮮やかな色合いと上品な甘味に仕上がります。
4. フユイチゴ(冬苺)
多くの野いちごが初夏に実を終えるのに対し、晩秋から真冬(11月〜1月頃)にかけて常緑の葉の間から真っ赤な実を実らせる貴重な種です。暖地の山林や林床に自生し、ほどよい酸味としっかりした果肉が特徴。冬枯れの森で鮮烈な赤を見せる姿は愛好家にも親しまれています。