SNSやネット上では「熱湯消毒すれば安全」「冷凍庫で凍らせて保冷剤代わりにすれば一石二鳥」といった裏ワザが散見されますが、これらには材料工学上の重大な盲点が存在します。
まず、一般的な飲料用ペットボトルの耐熱温度は約50℃〜60℃です(オレンジ色のキャップが付いた耐熱ボトルでも約85℃)。熱湯を注ぐと瞬時に白濁・収縮して変形し、火傷の原因になります。無理に熱湯消毒を試みることで、かえってプラスチック構造が破壊され、微小な亀裂から雑菌が侵入しやすくなります。
また、ペットボトルを凍らせる際の注意点も見逃せません。水は氷になると体積が約1.09倍(約9%)膨張します。冷凍専用に強化されていない通常ボトルに満杯の水を入れて凍らせると、底面や側面板が破裂したり、キャップのネジ山が緩んで解凍時に液漏れを起こす危険があります。冷凍する場合は必ず「冷凍兼用」と明記されたボトルを選び、通常の容器を使う際は内容量を8分目以下に抑える必要があります。
さらに近年、研究機関の調査で関心が高まっているのがペットボトルのマイクロプラスチック影響です。ボトルを繰り返し強く握る、硬いブラシで洗う、直射日光下に放置するなどの物理的・熱的ストレスが加わると、目に見えない微細なプラスチック粒子が削れ落ち、飲料中に溶け出すリスクが指摘されています。人体への長期的な生体影響については現在も国際的な追跡研究が進められている段階ですが、劣化が疑われるボトルを口にするのは賢明ではありません。