大後寿々花を語る上で欠かせないのが、日本映像史に刻まれた数々の名演です。彼女が歩んできた代表作の軌跡を振り返ります。
2005年公開のハリウッド映画『SAYURI』では、貧しい漁村から祇園の花街へと売られていく少女・千代を熱演。灰色がかった神秘的な瞳で見せる純真さと哀愁の表情は、ロブ・マーシャル監督をはじめ世界中の批評家を唸らせました。当時のインタビューでマーシャル監督は「彼女の瞳には何千もの物語が宿っている」と賛辞を贈っています。
2007年の日本テレビ系連続ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』では、松山ケンイチとのダブル主演に抜擢。七色の声を使い分ける14歳の少女「ニコ(セクシーボイス)」役を演じ、第53回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞。コミカルさと人間味を兼ね備えた唯一無二の掛け合いは、今なおカルト的な人気を誇ります。
さらに2012年の映画『桐島、部活やめるってよ』では、吹奏楽部の部長・沢島亜矢役を好演。神木隆之介演じる前田に密かな想いを寄せながら、屋上で切なくサックスを吹き続ける姿は、思春期特有の痛々しさと焦燥感を完璧に体現し、作品の評価を決定づける重要なピースとなりました。