家庭料理の現場やSNSの失敗談を検証すると、代用にまつわる「やってはいけない共通のNGパターン」が浮き彫りになります。
最も多い悲劇が、「片栗粉がないからと、水溶き小麦粉を沸騰したスープに直接回し入れる行為」です。片栗粉は水に溶かして熱湯に入れると均一に広がって糊化しますが、小麦粉は水と混ざった瞬間にグルテンの粘着力が発生するため、熱いスープに入れた瞬間に表面だけが固まり、中は粉っぽい「無数の小さな団子(すいとん状のダマ)」になってしまいます。スープのとろみづけに小麦粉を使いたい場合は、必ず具材を炒める段階で粉を振り入れて油となじませるか、別鍋でバターと練り合わせたルーを溶かし込む手順を踏まなければなりません。
もう一つの落とし穴が、「焼き菓子・ケーキ作りで小麦粉の全量を片栗粉に置き換える行為」です。グルテンを含まない片栗粉だけでスポンジケーキやクッキーを焼くと、生地を支える骨格が形成されないため、膨らまないか、あるいは焼き上がった瞬間にカチカチに硬化して口溶けの悪いクッキーになります。小麦粉の代用として片栗粉を使う場合は、全体の10〜20%程度を混ぜて「ほろほろ感をアップさせる」程度の補助使いに留めるのがプロの常識です。