ネット上で定期的にバズを起こす「歯石除去のネガティブキャンペーン」。知恵袋やSNSなどの投稿を精査すると、歯石取り後悔ネットの反応には明確な共通項が存在します。その多くは「施術を受けた直後の違和感」を「医療ミスや無駄な処置による被害」と誤認したことから生じています。
患者が訴える典型的な不満は、主に次の3点に集約されます。
- 施術後に舌で触ると、前歯の根元に不自然なすき間が空いてスースーする
- うがい水や風が歯の根元に当たり、キーンと鋭い痛みが走るようになった
- 金属の器具でガリガリと強い力で擦られたため、健全な歯が削り落とされたと感じる
こうした体感を素直に解釈してしまった結果、「何ともなかった健康な口内を、歯医者に弄られて悪化させられた」という被害者意識が芽生えます。そして人間心理に深く根付く「認知的不協和の解消」や「痛みの回避傾向」が働き、「そもそも歯石なんて取らなければ良かったのではないか」「歯石は歯と歯を固定して守っていた壁だったのだ」という、都合の良い独自解釈へとすり替えられていくのです。
これが、現代のネット空間に蔓延する歯石取ってはいけない噂の真相の正体です。しかし、現役の歯科医師たちに取材すると、返ってくるのは全く正反対の警鐘です。「不快感が生じるのは、それだけ歯周病が水面下で重篤化していた動かぬ証拠。違和感を理由に処置を止めることは、火災報知器の音がうるさいからと電池を抜いて火事を放置する行為と何ら変わりません」と語ります。