どれほど緻密にカロリーを割り出しても、個体差によるズレは生じます。日々の観察において、猫が発するフィジカルサインを読み取ることが求められます。
まず警戒すべきは子猫ご飯足りない仕草です。食後すぐに空の器をしつこく舐め回す、人間の食事に対して激しく飛びつく、鳴き叫ぶといった行動が目立つ場合、エネルギー不足が疑われます。しかし、行動以上に客観的な証拠となるのは「体重の推移」と「体型」です。健康な子猫であれば、生後半年頃までは週に50〜100g程度のペースで体重が増加します。毎日同じ条件(朝の排泄後など)で体重を計測し、2〜3日連続して体重が横ばい、あるいは減少している場合は、即座にカロリー不足を疑わなければなりません。肋骨や腰椎が容易に浮き出て見える状態は、明らかな給餌不足の兆候です。
反対に、最も現場で多く見落とされるのが子猫ご飯与えすぎサインです。「愛猫が欲しがるから」と過剰に給餌を続けた結果、消化管が処理能力を超え、典型的な軟便や未消化の下痢を引き起こします。動物病院に持ち込まれる子猫の消化不良相談の約半数は、病原体ではなく単純な過剰給餌が原因です。また、食後に胃部が異常に丸く突出し、苦しそうにうずくまって動かなくなる場合も危険信号です。便の硬さは「ペットシーツの上でつまんだ際に跡が残らず拾える硬さ」が理想であり、形が崩れるような泥状便が続く場合は、直ちに給餌量を10〜15%絞る調整が必要です。