法律の観点から見れば、結論はきわめて明快だ。学校教育法第11条は、校長及び教員が生徒に懲戒を加える権利を認めつつも、「体罰を加えることはできない」と明確に規定している。どれほど指導の意図が正当であろうと、身体に対する不法な侵害や肉体的苦痛を与える行為は直ちに違法となる。
刑事上の暴行罪や傷害罪に問われるリスクはもちろん、教員免許の失効や損害賠償請求など、失うものの大きさは極めて甚大だ。法的リスクを冒してまで行う「指導」など成立し得ない。しかし、現場の教員からは「生徒からの暴言や暴力に対して正当防衛すら躊躇する」との声も流れており、法の解釈と現場での実効的な対応力との間に、大きな溝が生じている。