日本全国で昭和レトロなドライブイン巡礼がブームとなる背景には、単なる懐古趣味にとどまらない社会構造の変化があります。
1970年代から80年代にかけてのモータリゼーションの進展に伴い、国道沿いには数多くの個人経営ドライブインが誕生しました。しかし、高速道路網の拡張、バイパス道路の開通による旧道の交通量減少、さらには24時間営業のコンビニエンスストアや大手外食チェーンの台頭により、街道沿いの中小食堂は激しい淘汰に晒されてきました。帝国データバンク等の飲食業動向調査でも、個人食堂の事業承継難や廃業率は高水準で推移しています。
消費社会論の観点から見ると、効率性と無菌化が進んだ現代のフードビジネスに対する反動として、「不揃いさ」「人の気配」「歴史の堆積」を内包するドライブインへ価値を見出す動きが生まれています。規格化されたサービスに疲弊した人々が、効率至上主義とは対極にある空間を求めて暖簾をくぐっていると言えます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
昭和遺産としての魅力と大衆食堂の実情を踏まえ、訪問時のミスマッチを防ぐためのチェック基準を提示します。
【訪れるべき人】
- 昭和の空気感や年季の入った建屋の風情を心から楽しめる人
- ボリューム満点でパンチの効いた濃いめの味付けが好みな人
- マニュアル的でない、素朴で飾り気のないコミュニケーションに愛着を感じる人
【訪問を慎重に検討すべき人】
- 最新の衛生設備やピカピカに磨かれた店舗空間を絶対条件とする人
- 電子マネーやクレジットカード決済のみで生活を完結させている人
- 待ち時間のないスピーディーな提供や洗練された接客を求める人