「インフォームド・コンセントの徹底」。これこそが現場で最も大切にされている理念だ。提示される治療法は一つではない。検査方針から手術のリスク、費用の見通しに至るまで、獣医師が飼い主とじっくり対話を重ねた上で最適な選択肢を模索する。一方通行の治療ではなく、飼い主の意向やペットの性格に寄り添う姿勢が徹底されていた。
また、病気にかかってから治す「治療」から、病気を未然に防ぐ「予防」へのシフトも顕著だ。動物愛護予防医療プロジェクトをはじめとする先頭に立った取り組みは、ワクチン接種やフィラリア予防にとどまらず、デンタルケアや適切な栄養管理まで多岐にわたる。健やかな日常を長く保つための総合的なサポートが、日々の診療の中に組み込まれている。