サントリーが仕掛けた「ハイボール復活プロジェクト」は、ウイスキー市場が底を打っていた2000年代後半にスタートしました。その象徴となったのが、路地裏に佇む小さなバーのカウンターで繰り広げられるドラマ仕立てのCMです。ここではまず、歴代のバー店主役を務めた3人の女優陣と、ブランドの歩みを振り返ります。
初代店主:小雪(2008年〜2011年)|「ハイカラ」旋風を巻き起こした立役者
初代店主として登場した小雪は、凜とした気品とどこかミステリアスな色香で視聴者を釘付けにしました。和装や上品なブラウス姿で氷を削り、きりりと冷えたハイボールを差し出す姿は、それまでウイスキーに馴染みのなかった若年層に「スタイリッシュな大人の飲み物」という強い印象を刻み込みました。 特に大きな社会現象となったのが、唐揚げとハイボールを組み合わせた「ハイカラ」の提案です。居酒屋や家庭で爆発的な流行を生み出し、長期低迷を続けていたウイスキー市場をV字回復へと導く決定打となりました。
2代目店主:菅野美穂(2011年〜2013年)|親しみやすさで大衆酒場の活気を注入
小雪が築いた洗練されたイメージから一転、2代目として店主のカウンターに立ったのが菅野美穂です。小雪時代のどこか背伸びしたバーの雰囲気から、誰もが気軽に暖簾をくぐれる大衆的で温かみのある酒場へとトーンをシフトしました。 菅野美穂が見せた満面の笑顔と、唐揚げだけでなく「餃子」や「メンチカツ」など庶民的なガッツリ系料理とハイボールを豪快に楽しむ演出は、消費者の「今夜、仕事帰りに一杯飲みたい」という直感を刺激。ハイボールを特別な日の嗜みから、日常の食中酒として完全に定着させました。
3代目店主:井川遥(2014年〜2026年現在)|圧倒的癒やしを体現する歴代最長のミューズ
2014年2月から店主役を引き継いだ井川遥は、角ハイボールCMの歴史において最長となる10年以上の出演を誇っています。「ハイボール、お好きでしょ」と優しく微笑みかけ、炭酸の弾けるグラスを差し出すその佇まいは、20代から50代以上の幅広い層から圧倒的な支持を獲得しました。 柔らかな光に包まれたバーで、日々の疲労を包み込むような包容力。彼女が醸し出す「大人の色香と安心感」の絶妙なバランスは、ウイスキーハイボールのプレミアムな世界観を不動のものにしました。