突然の水トラブルは、人間の心理に「一刻も早く元通りにしたい」という強いストレスと認知バイアスを生み出します。その隙を突いた悪質な駆け付け業者による消費者被害が、国民生活センター等の公的機関へ多数寄せられています。
独立行政法人国民生活センターの集計データによると、水回り修理に関する相談件数は高止まりを続けており、「基本料金数百円〜」とネットやマグネット広告で格安を謳いながら、現場に到着するやいなや「配管全体が腐食している」「床下を全解体しなければ直らない」と不安を煽り、数十万円から数百万円の法外な即日契約を迫る手口が常套化しています。
SNSや知恵袋、地域コミュニティに投稿された当事者の生々しい手記を検証すると、共通する被害パターンが浮き彫りになります。
「早朝に台所の水が出なくなり、パニックになってネット検索で一番上に出てきた『即日対応・格安500円〜』の広告業者に電話した。自宅に来た作業員は蛇口をチラッと見ただけで『特殊な配管トラブルで今すぐ直さないと階下に漏水する』と脅迫めいた説明を始め、提示された見積額は45万円。動転して契約書にサインしてしまったが、後から水道局の指定工事業者に診てもらうと、単なる止水栓内部のパッキン劣化で作業費は1万円程度だった」(30代賃貸入居者の手記より要約)
このように、水が出ないという生活インフラの寸断は人を極限状態に追い込み、合理的な金銭感覚を麻痺させます。焦りを感じたときこそ、スマートフォンの検索結果上位にあるリスティング広告(「PR」や「スポンサー」表記のある枠)を無警戒にクリックするのではなく、各自治体がウェブ上で公表している「水道局指定給水装置工事事業者」の名簿と照合する防衛策が不可欠です。