ネットの掲示板やSNSで頻繁に取り沙汰されるのが、「昭和鉄道高校は校則が厳しすぎる」という噂です。頭髪検査の厳格さ、制服の着こなしに対する細かな指導、挨拶や礼儀作法の徹底、スマートフォンの校内利用制限など、昨今の自由化が進む都内私立高校と比較すると、確かにその規律は厳格に映るかもしれません。
では、昭和鉄道高校の校則が厳しい理由はどこにあるのでしょうか。その本質は、単なる生徒指導ではなく「鉄道員としての職業倫理と安全思想」の刷り込みにあります。鉄道事業法に基づき運行される鉄道路線では、わずか1秒の遅断や1つの確認怠慢が重大な運行事故に直結し、何千人、何万人という乗客の生命危機を招きます。
同校が徹底しているのは、鉄道現場の基本動作である「指差喚呼(しさかんこ)」、時間厳守(1分前ではなく数分前の着席・点呼)、そして相手に安心感を与える身だしなみです。卒業生への取材でも、「在学中は厳しくて不満に思う瞬間もあったが、鉄道会社の内定研修や駅務の現場に入った瞬間、周りの大卒・他校出身者との差を実感し、高校時代の指導に心から感謝した」という声が多数を占めています。高校3年間を通じて「無意識レベルで規律を守れる身体」を作り上げることが、企業側が同校の卒業生を真っ先に採用したがる最大の要因です。