秋田県北秋田市阿仁打当(あにうっとう)の内陸深く、米代川水系阿仁川の支流に位置する安の滝は、標高約800m前後の山中に突如として姿を現します。最大の特徴は、白亜の岩肌を滑り落ちる総落差90mの2段滝構造です。上段は約60mの落差から一気に滝壺へと水煙を上げ、下段は約30mにわたって幾筋もの優美な分岐瀑となって広大な岩盤を滑り落ちます。
1990年に環境庁(現・環境省)などが選定した「日本の滝百選」において、当時の人気投票で上位(第2位)に推された経緯を持ちます。巨岩を穿つ豪快な水音と、周囲を取り囲む手つかずのブナ原生林が織りなす対比は、東北地方屈指の景勝地と評される理由を雄弁に物語っています。