アンテナピクトが最大表示されているにもかかわらず、Safariで「ページを開けません」と警告が出たり、SNSのタイムラインが更新されなかったりする現象には、明確な技術的理由があります。多くのユーザーが「電波マーク=インターネットへの直結度」と誤認しがちですが、電波表示が意味しているのは、あくまで最寄りの基地局から発信されるパイロット信号の受信強度(RSSI/RSRP)です。
つまり、基地局との間に電波の道が通じていても、その先にある通信キャリアのコアネットワークやインターネット網へデータが送れていない状態、いわゆるモバイルデータ通信が繋がらない原因の典型例が発生しています。その代表格がiPhoneパケ詰まりの理由として知られる、基地局側のセッション処理遅延です。
特に朝夕の主要ターミナル駅や大型イベント会場では、数千台から数万台の端末が一つの基地局エリアに密集します。基地局の電波自体は端末に届いているためアンテナは最大を示しますが、上り(アップロード)の通信リクエストが基地局の許容キャパシティを突破し、パケット処理の待機列(キュー)からあふれ出すことで、通信がフリーズします。さらに、端末内部のベースバンドモデムが通信エラーの再送を過剰に繰り返すことで、ソフトウェア的なデッドロックに陥るケースも少なくありません。