映画を観直した際に「いのちの名前という歌がどこにも流れてこない」と驚く視聴者は少なくありません。実は、劇場公開された映画本編のサウンドトラックには、ボーカル版の「いのちの名前」は一度も挿入されていません。
映画のオリジナル・サウンドトラック(OST)に収録されているのは、以下の主要な劇中曲・主題歌です。
- 「あの夏へ」(オープニング、物語の起点となるインスト)
- 「とおり道」「誰もいない料理店」「夜来る」(異界への迷い込みを描く劇伴)
- 「竜の少年」「湯婆婆」(ハクの正体や油屋の支配者を象徴するダイナミックな楽曲)
- 「あの日の川」「ふたたび」(千尋とハクが名前を取り戻すクライマックスを彩るオーケストラ曲)
- 「いつも何度でも」(歌:木村弓 / 映画のエンディングを飾る唯一の公式主題歌)
このように、「いのちの名前」は映画本編の劇中歌ではなく、映画の制作過程で作られたイメージアルバム発の楽曲という特別な立ち位置にあります。それにもかかわらず、映画の主題歌と同等、あるいはそれ以上にファンの記憶に刻まれているのは、楽曲自体の持つ物語性と完成度の高さによるものです。