地域住民や塾関係者の間で「大津は大学進学に強い」と評される最大の要因は、100年以上の歴史に裏打ちされた極めて豊富な大学指定校推薦枠にあります。青山学院大学、中央大学、法政大学、学習院大学といったGMARCHをはじめ、成蹊大学、明治学院大学、日本大学、東洋大学、神奈川大学など、首都圏主要私立大学からの推薦枠が手厚く割り振られています。
学校側が発表する過去数年間の合格実績の内訳を精査すると、現役大学進学率は85%を超えており、専門学校や就職を選ぶ生徒は少数派です。国公立大学(横浜国立大学、横浜市立大学など)への進学者は毎年数名から十数名程度にとどまる一方、私立大学進学者が全体の7割以上を占めています。
しかし、進路指導の現場を取材すると、光と影の二面性が浮かび上がります。学内における定期試験の成績(評定平均4.2以上)を維持し、早い段階でGMARCHや成成明学の指定校推薦を勝ち取る層がいる半面、一般選抜で難関私大に挑む層は激しい競争に晒されます。校風が穏やかで締め付けが厳しくない分、高3の秋以降に受験勉強の熱量に個人差が生じやすく、「一般入試でMARCHを目指したが日東駒専に着地した」というケースも珍しくありません。推薦枠を戦略的に狙うのか、自学自習で一般選抜を突破するのか、高校1年次から明確な方針を持つことが成果を分ける構造となっています。