早稲田大学野球部の強さを語る上で外せないのが、東伏見グラウンドに隣接する合宿所「安部寮(あべりょう)」の存在です。創部以来受け継がれてきた寮生活は、単なる寝食の場ではなく、社会人としての礼節と自己管理能力を叩き込む人間形成の道場となっています。
報道関係者の取材やOBの手記によると、寮内では徹底した時間管理、清掃活動、挨拶の励行が義務付けられています。かつてのような理不尽な上下関係は時代とともに近代化され、現在では食事の栄養管理や睡眠サイクルの最適化など、科学的なコンディショニング環境が整備されています。
しかし、「一球への執念」を育む精神性は一切色褪せていません。早朝から鳴り響く打球音、夜遅くまで自主練習に励む選手たちの姿は東伏見の日常風景です。寝食を共にすることで醸成される強固な絆が、東京六大学野球の修羅場で見せる驚異的な粘り腰を生み出しています。