本作の最大の独自性は、現役医師である作家・知念実希人のベストセラー小説を原作に据えた点にある。医療ドラマといえば、緊迫した手術シーンや院内の権力闘争を描く作品が多い。しかし本作は、患者の言動や身体症状、検査データの矛盾から「なぜその患者は嘘をついたのか」という謎を解き明かすミステリードラマの骨格を持っている。
「カルテには患者のすべてが記されている」という信念のもと、医学的な根拠に基づいたロジカルな推理が展開される。知念実希人ならではの専門知識に裏打ちされたトリックと、人間の業や愛情を描いた人間ドラマの融合。この知的なカタルシスこそが、従来の医療エンターテインメントとは一線を画す魅力だ。