漫画の未加工スキャンデータを指す「raw」という隠語は、かつて海外サーバーを転々とする海賊版サイト群で広く使われていました。しかし、2026年現在の状況は一変しています。一般社団法人ABJ(出版広報センター)や警視庁サイバー犯罪対策課、さらには国際捜査機関の連携により、主要な違法サイトは相次いでドメイン差し押さえやサーバー停止に追い込まれ、大規模な閉鎖が続いています。
現在ネット上に残存している「raw」と名打つサイトの9割以上は、漫画を閲覧させることではなく、悪質なフィッシング詐欺サイトへの誘導やマルウェア配布を目的とした罠(トラップ)です。アクセスした瞬間に「ウイルスに感染しました」という偽の警告を表示させて不正アプリをインストールさせたり、ブラウザの通知権限を乗っ取って執拗に広告を表示させる被害が急増しています。
さらに、著作権法改正により、違法にアップロードされたと知りながら有償著作物を反復・継続してダウンロードする行為には、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(またはその両方)」が科されます。一時の好奇心や数百円の節約のために、人生を棒に振るような法的ペナルティと端末破壊のリスクを背負うのは割に合いません。