箸の持ち方は単なる個人の好みの問題にとどまらず、国家的な取り組みとしても重要視されている。農林水産省が推進する「食育」推進計画では、健全な食生活の実践とともに、日本の伝統的な食文化の継承が重要な柱として掲げられている。その基本中の基本となるのが、正しく道具を扱う技術だ。
箸を正しく使うことは、食べ物をこぼさずに美しく口に運ぶだけでなく、魚の骨を綺麗に外す、小さな豆を摘まむといった繊細な動作をスムーズに行うためにも理にかなっている。道具としての合理性を追求した結果生まれたのが日本の箸文化であり、これを次世代へつなぐことが大人の嗜みとされているのだ。