店頭で生後数か月を過ぎた犬や猫は、一体どこへ向かうのでしょうか。ネット上では今なお「売れ残りはすべて保健所で殺処分される」といった極端な言説が散見されますが、2026年最新のペット流通の真相は法制度の整備とともに大きく様変わりしています。
転換点となったのは、動物愛護管理法における「終生飼養の徹底」と「自治体による事業者からの引取拒否規定」です。環境省が公表する『犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況』のデータを見ても、行政による殺処分機数は年々減少を続けており、ペットショップが保健所に持ち込んで安易に処分することは法律上できなくなっています。
現在、店頭で販売期間を過ぎた生体の主なルートは以下の4つに大別されます。
- 自社グループの大規模店舗・アウトレット店舗への移動:郊外型の大規模店や「セカンドチャンス」を掲げる専門フロアに移送され、価格を下げて再販売されるケースです。
- 専属ブリーダーへの返還と繁殖引退犬ルート:繁殖用として元ブリーダーへ戻される、または法規制の上限年齢を迎えて引退犬として里親募集に回されるケースです。
- 提携する動物保護団体やアニマルシェルターへの譲渡:ショップと提携関係にある保護団体へ所有権を移転し、譲渡会や保護犬カフェを通じて一般家庭へ繋ぎます。
- スタッフや関係者による個人引き取り:現場で世話をしていたショップ店員や関係者が個人的に家族として引き受ける事例も現場では日常的に見られます。
一方で、法規制の隙間を縫うような悪質な「引き取り屋」の存在が完全に根絶されたわけではありません。営利目的で生体を引き取り、劣悪な環境下で放置する業者の摘発報道は後を絶たず、大手チェーンを中心にトレーサビリティ(流通履歴の追跡)の開示を進める動きが加速しています。