鬼束ちひろの歩みを振り返る上で、2021年冬に起きた救急車蹴り事件の真相に触れないわけにはいきません。東京・恵比寿の路上で友人が体調を崩し救急車が呼ばれた際、現場に居合わせた通行人の言動にパニックを起こし、感情を昂らせて車両を蹴ってしまった器物損壊容疑での逮捕劇は、当時ワイドショーを大きく賑わせました。
この一件は、友人への強い心配と周囲へのパニック的防衛反応が引き金となったものですが、彼女自身は深く反省し、被害弁償と真摯な謝罪を経て不起訴処分(起訴猶予)となりました。一部からは厳しい批判も寄せられたものの、精神的な脆さと情の深さが裏目に出てしまった背景を理解するファンも少なくありませんでした。
この事件を機に、彼女は改めて自身のメンタルケアと生活環境を徹底的に見直し、音楽制作という原点に立ち返る覚悟を固めました。苦難の経験すらも表現の糧へと昇華させ、より地に足のついた活動基盤を再構築しています。