ネット上の情報では「閃輝暗点=片頭痛の前兆=心配いらない生理現象」と安易に片付けられる傾向がありますが、これには重大な誤認が含まれています。第一の盲点は、網膜剥離や眼底出血との混同です。閃輝暗点が「両目」の視覚野で生じるのに対し、網膜の異常(光視症など)は「片目」だけに光が走ることが特徴です。片目を隠した際に光が一方の目だけで見える場合は、脳ではなく眼球自体の重大な病変が疑われます。
第二の盲点は、「若い頃から頭痛持ちだったから大丈夫」という思い込みです。長年片頭痛に悩まされてきた人であっても、40代・50代以降に閃輝暗点の頻度が急増した場合、背景に頸動脈狭窄や微小動脈瘤などの血管性病変が新たに形成されているケースがあります。「いつもの頭痛の前触れ」と自己判断して放置することが、手遅れを招く最大の落とし穴となります。