食事の回数を1回に絞り、1日の大半を絶食状態で過ごしているにもかかわらず、思うように体重が減らない、あるいは途中からピタリと減少が止まる現象には明確な生化学的理由が存在します。摂取カロリーを削れば削るほど痩せるという単純な引き算の論理は、生体の生存本能によって無力化されます。
食事と食事の間隔が16時間を優に超え、さらに活動量の多い日中にエネルギーが入ってこない状態が続くと、脳の視床下部は深刻な「飢餓シグナル」を受信します。この危機を乗り切るため、体内ではホメオスタシス(恒常性維持機能)が強力に作動し、生命維持に直結しないエネルギー消費を極限までカットする省エネモードへと舵を切ります。これが、朝昼食べない生活で基礎代謝低下が引き起こされる決定的な引き金です。
さらに深刻なのが、欠食による筋肉量減少(カタボリック)の加速です。日中の活動に必要なブドウ糖が血中から枯渇すると、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは数時間で底をつきます。すると身体は、自らの筋肉を構成するアミノ酸を分解してエネルギーを作り出す「糖新生」を活性化させます。つまり、脂肪よりも先に貴重な筋肉組織を削り取って燃料にしてしまうのです。
筋肉が1kg減少するごとに1日の消費カロリーは確実に減退します。結果として「食べる量を極端に減らしているのに、代謝エンジンそのものが縮小しているため一向に痩せない」という代謝の袋小路に迷い込みます。この状態で元の食事量に戻せば、縮小したエンジンに対して過剰な燃料が流れ込む形となり、1日1食ダイエットによるリバウンドが必然的に発生します。