マスコット界において「中の人」の存在を公言することは長らくタブーとされてきましたが、つば九郎に関してはファンの間である特定の人物名が広く知れ渡っています。それが、元スタントマン・体操選手としての経歴を持つ足立歩(あだち あゆむ)氏です。
足立氏の名前が浮上した発端は、球界関係者への取材や過去のメディア露出、さらには球団スタッフのクレジットなど複数の状況証拠にあります。初期のつば九郎は現在のような「メタ発言連発の毒舌キャラ」ではなく、グラウンドで見事な連続バク転やアクロバットを披露する正統派のアスリート系マスコットでした。高い身体能力を誇るパフォーマーとして抜擢されたのが足立氏であり、その卓越したボディコントロールが現在の絶妙な「間」やコミカルな動きの土台となっています。
また、公式ブログ『つば九郎ひと言日記』や『つば九郎のぷりぷり日記』に綴られる独特のひらがな表記、行間を活かしたリズム感、昭和歌謡や競馬・麻雀といった哀愁漂う趣味嗜好は、演者本人の人間性と完全に地続きであると業界内でも評価されています。単なる着ぐるみの着用者(スーツアクター)の枠を超え、演者の魂とキャラクターが完全に融合した稀有な事例といえます。