この潮流は、ビジネス界だけでなく教育の現場にも確かな変化をもたらしている。かつて日本の学校現場では、授業中に外の景色を眺めたり、手元を止めて考え込んでいたりする児童は「集中力がない」「だらしない」と注意の対象となるのが常だった。
しかし、文部科学省の先進的教育特区に指定された都内の小中一貫校では、2025年秋から「空白の5分間」を各授業の合間に試験導入した。教員が一方的に教え込むのをやめ、生徒たちが自由に思考を漂わせる時間を確保したところ、テストの平均点が向上しただけでなく、自由研究や美術作品における表現の多様性が劇的に増したという。現場の教諭は「子どもたちがぼんやりしている時、頭の中では独自の思考の大冒険が繰り広げられている」と証言する。