2026年の税制環境および社会保険制度の下で、60歳〜65歳定年を迎える世代にとって極めて効果的な対抗策として専門家の間で再評価されているのが、「年金受取時期の据え置き」による税金コントロールです。個人年金保険の多くは、60歳や65歳に設定された年金受取開始時期を、手続きによって数年間後ろ倒し(据え置き)にできる特約を備えています。
多くのサラリーマンは、60歳定年後の再雇用期間(60〜65歳)も給与所得を得ています。この時期に個人年金の受け取りを重複させてしまうと、給与所得に個人年金の雑所得が上乗せされ、日本の所得税が採用している「超過累進税率」によって高水準の税率(20%〜33%超)が容赦なく適用されます。さらに、給与と年金の合算所得によって住民税と介護保険料基準も急騰します。
ここで威力を発揮するのが受取の「据え置き」です。再雇用が終了して給与収入が途絶える65歳以降、あるいは公的年金の受給開始タイミングに合わせて据え置くことで、所得の谷間を埋める形で受給します。保険会社によっては据え置き期間中に所定の利息が付加されて受取原資が増加する副次効果もあります。何よりも、現役時代の高所得期と受給タイミングを明確に分離することで、適用される税率区分を最低水準の5%〜10%に抑え込むことが可能になるのです。