英国の運動栄養学者マイク・マッキネス氏が提唱した「冬眠(ハイバネーション)ダイエット」を契機に、世界中のウェルネス界隈へ広がった寝る前はちみつダイエット。夜間に糖分を補給することがなぜ体脂肪の減少につながるのか、その核心は脳のエネルギー枯渇防止にあります。
人間の脳は体重のわずか2%程度の重量でありながら、基礎代謝におけるエネルギー消費の約20%を占める大食漢です。睡眠中であっても、脳は1分間に約0.1gのブドウ糖を休むことなく消費しています。この夜間エネルギーを供給しているのが肝臓グリコーゲンですが、夕食で糖質制限を行っていたり激しい運動で枯渇していたりすると、深夜2時から4時頃にかけて脳が「飢餓状態」に陥ります。
エネルギー切れを察知した脳は、生命維持のために副腎へ指令を出し、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンを分泌させて筋肉を分解(糖新生)し、血糖値を無理やり引き上げようとします。この夜間低血糖に伴うストレスホルモンの急増こそが、夜中の覚醒、歯ぎしり、悪夢、そして翌朝の強い倦怠感の主因です。就寝前に寝る前はちみつ大さじ1杯(約21g・約65kcal)を摂取することは、肝臓にあらかじめ燃料を補充し、ストレスホルモンの暴走を未然に防ぐ決定的な防波堤となります。