食の暗部にカメラを向け、世界に衝撃を与えたモーガン・スパーロック監督の伝説的ドキュメンタリー映画『スーパー・サイズ・ミー』。30日間マクドナルドのメニューだけを食べ続け、激変していく肉体と精神を記録したあの実験から20年以上が経過した。当時、ファストフード業界はスパーロックの告発を「極端な偏食によるパフォーマンス」と一蹴し、サラダメニューの導入など表向きの健康志向を打ち出して嵐をやり過ごした。
だが、本質は何も変わっていなかった。後に登場した映画『フード・インク』が暴いたように、多国籍アグリビジネスと外食産業の結託はより巧妙化し、工業化された安価な原材料が世界中の食卓を侵食し続けている。現在、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信プラットフォームでは、こうした食の構造的暴力を暴くドキュメンタリーが数多く配信され、若い世代を中心に再評価の波が広がっている。
スクリーンの向こう側の話ではない。私たちが手軽に買っているワンコインのバーガーの裏には、巧妙に隠蔽された産業構造が存在している。