「名代」という言葉の文化的ルーツを語る上で欠かせないのが、日本の伝統芸能である歌舞伎の世界です。歌舞伎界においては、「名題(なだい)」または「名代(なだい・みょうだい)」は役者の格式を示す重要な階級を意味します。
歌舞伎の興行において、劇場の名題看板に名前が大きく掲げられる資格を得た幹部クラスの役者を「名題役者(なだいやくしゃ)」と呼びます。厳しい修行と実技試験・筆記試験を経て「名題適任証」を取得した役者だけが、劇中で主要な役柄を演じる看板役者として認められます。
「看板に名前が載る=一人前として認められた証」という伝統芸能の厳格な格式が、現代の日本語における「評判が高い」「看板を背負う」という意味の礎となっています。