『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』が世に放たれた際、テレビ業界全体に強い衝撃が走った。関西テレビ放送が企画し、全国ネットで放送されたこの作品は、あまりにも危険で政治的なテーマに真っ正面から切り込んでいたからだ。
物語の主軸となるのは、警察庁長官の直轄部隊。一見すればエリート集団だが、その本質は国家の醜聞や政治家の汚みを水面下で揉み消すための「都合の良い捨て駒」に過ぎない。テロリスト側の怒りや動機にも理があると思わせる構造は、単なる善悪二元論を拒絶した大人のためのエンターテインメントだった。
警察機構という巨大組織のギアとして働きながら、己の倫理観との間で引き裂かれていく男たち。国家を守るとは何か、個人の正義とはどこにあるのかという問いは、時代を問わず観客の胸を激しく突く。