山下清とおにぎりの真相|ドラマの嘘と放浪日記に記された史実の全貌

山下清とおにぎりの真相|ドラマの嘘と放浪日記に記された史実の全貌

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1922年に東京・浅草で生まれた山下清は、幼少期のいじめや障害を背景に、千葉県市川市にある知的障害児施設「八幡学園」に入所しました。ここで出会った教育法の一環である「ちぎり絵(貼り絵)」の指導を受けたことで、その類まれな色彩感覚と造形才能が一気に開花します。

しかし、1940年、18歳になった清は突如として学園を脱走し、あてのない放浪の旅へと出奔します。その最大の動機は、当時激化していた太平洋戦争に伴う「徴兵検査からの逃亡」でした。「兵隊に取られて人を殺したり自分が死んだりするのが嫌だった」という極めて素朴かつ本能的な動機が、彼を旅へと駆り立てたのです。

戦後、放浪を繰り返す中でその圧倒的な画力が美術関係者の目に留まり、「日本のゴッホ」「放浪の天才画家」として一躍メディアの寵児となります。しかし、どれほど世間から喝采を浴びて個展が超満員になろうとも、本人は名声に一切執着せず、ふらりと姿を消しては全国の街道を歩き続けました。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。