サグラダ・ファミリアの中でも、アントニ・ガウディが生前に直接設計を手掛け、ユネスコの世界遺産にも登録されている「生誕のファサード」。生命の躍動感を石に刻み込んだこの圧倒的な造形をイラストレーションへと落とし込むには、特有の視点と構図が必要となる。
19世紀末から20世紀初頭にかけて花開いたカタルーニャ・モダニズムの神髄は、直線ではなく自然界を模した有機的な曲線にある。下から見上げる「アオリの構図」を採用することで、天に向かって伸びる彫刻群の重厚感と躍動感が画面いっぱいに広がる。幾何学模様と植物モチーフが緻密に絡み合うファサードの魅力を引き出すには、明暗のコントラストを強調することが重要だ。