プロサッカーチームのプレシーズンキャンプやプロ野球の春季二次キャンプ、大学駅伝・ラグビー強豪校の拠点として、上富田スポーツセンターのプロチーム利用の理由を深掘りすると、単なる「グラウンドの広さ」を超えた3つの決定的なアドバンテージが浮かび上がります。
第1の要因は、南紀特有の気候条件です。本州の多くの地域が降雪や凍結に見舞われる1月〜2月であっても、紀伊半島南部に位置する上富田町は黒潮の暖流効果を受け、真冬でも日中の気温が10度から15度近くまで上昇する日が多く見られます。降雪は極めて稀で、霜柱によるグラウンドの泥濘化に悩まされる心配がほとんどありません。「冬場に実戦形式の屋外練習を中断なく消化できる」という点は、開幕ダッシュを狙うトップアスリートにとって代えがたい環境価値を持っています。
第2の要因は、地方都市のイメージを覆す驚異的な交通アクセスです。上富田町は紀伊半島の奥地という先入観を持たれがちですが、実際には羽田空港から南紀白浜空港まで定期便で約75分、そこから車でわずか約15分という距離感に位置しています。つまり、東京都心から最短100分前後でピッチサイドに立つことが可能です。長距離移動による選手のコンディション低下を最小限に抑えられるロジスティクスは、分刻みで体調管理を行うプロチームの首脳陣から絶大な支持を得ています。
第3の要因は、行政と地域社会が一体となった「アスリートファースト」の支援体制です。町を挙げて「スポーツ合宿の聖地」を標榜する上富田町では、視察受け入れからグラウンドの整備、プロ仕様の食事・ケータリングの手配、さらには守秘義務を伴う非公開練習の警備に至るまで、官民連携のスムーズなサポートが定着しています。過去にキャンプを経験したJリーグクラブの強化担当者は、当時の現地取材に対して「施設間の移動がすべて徒歩で完結し、グラウンドキーパーがプロの要望に合わせて芝の刈り高や散水量をミリ単位で微調整してくれる。大都市圏のスタジアム以上の集中環境がここにある」と証言しています。