年齢を感じさせない佇まいは確かに健在だ。しかし、いま彼の演じるキャラクターから漂うのは単なる若々しさではない。年月の積み重ねが生み出した奥行き、人生の裏表を知る者だけが醸し出せる静かな凄味である。
ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでのグランプリ受賞以降、ポップスターとしての熱狂の中心にいた彼だが、ここ数年の劇的な進化は目を見張るものがある。アイドル的人気の残像に甘んじることなく、過酷な舞台の稽古場へ飛び込み、声を潰し、身体を絞り上げて培った実力。30代後半から40代へと差し掛かるキャリアの黄金期において、彼はまさに日本の演劇シーンにおける主役の一人となった。