極秘裏に進められた撮影プロジェクト。ロケ地となったヨーロッパの古城やプライベートヴィラでは、厳重なセキュリティが敷かれていた。現場の関係者が語る現場の熱量は壮絶だ。島田陽子本人はカメラの前に立つ直前まで静かに目を閉じ、集中力を極限まで高めていた。一切の妥協を許さないプロフェッショナリズムが、現場の空気をピンと張り詰めさせていたという。
当時のネガフィルムには、本編には収まりきらなかった秘蔵カットが多数存在する。惜しくも未掲載となった未公開エピソードのカットには、ふとした瞬間に魅せる儚げな表情や、自然光に包まれた無防備な素顔が写し出されていた。世界を魅了した美貌の陰には、作られた虚構ではなく、生身の人間として表現に向き合う真摯なポートレートがあった。