街を歩いていると「新時代」のほかに「新時代44(よんよん)」という看板を目にすることがある。この2つの業態の違いを明確に理解している客は意外と少ない。ブランドの仕掛け人であり、株式会社ファッズを率いる創業者・佐野直史氏のビジョンがここには色濃く反映されている。
スタンダードな「新時代」が、伝串を主軸に活気ある大衆居酒屋の王道を走るのに対し、「新時代44」は生ビールを44円(税込48円)や特別価格で提供するなど、ドリンクの限界値引きに挑戦した実験的かつエッジの効いた業態だ。フードメニューの構成や店舗のデザインにも微細な差異が施されており、利用シーンに応じた使い分けを可能にしている。
佐野氏が一貫して掲げるのは「世のため、人のため」という現場主義の哲学だ。緻密な原価計算と従業員の教育、そして圧倒的な商品開発力があるからこそ、二つの異なるアプローチで市場の心を掴み続けている。