現在の高校生の金銭事情を語る上で避けて通れないのが、スマートフォンのコード決済やデビットカード、交通系ICカードを用いたキャッシュレス決済の爆発的普及です。
親の銀行口座やクレジットカードから毎月決まった日に定額を送金する「デジタル小遣い」を導入する家庭は、高校生世帯において急速に拡大しています。この変化は、親子の双方に明確なメリットをもたらしています。
大手SNSやコミュニティ掲示板で保護者の生の声を取材すると、「小銭を用意する手間が省ける」「アプリの明細を見れば、何にいくら使ったのかが親子で共有でき、使いすぎを未然に防げる」という肯定的な意見が多数を占めます。高校生側にとっても、友人同士の割り勘が送金機能で1円単位まで瞬時に完了するため、「現金の持ち合わせがなくて立て替えてもらう気まずさ」から解放される利点があります。
しかし、画面上の数字が増減するだけの環境は、お金のありがたみや減っていく痛みを実感しにくいという副作用も孕んでいます。トラブルを未然に防ぐため、多くの先進的な家庭では以下のような「渡し方ルール」を設けています。
「ゲームのアプリ内課金は上限月額1,000円まで」「残高がゼロになっても次回の送金日までは原則として追加チャージを行わない」「月1回は利用履歴を親子で確認し、残金の振り返りを行う」。こうしたデジタル上での明確な境界線設定こそが、現代の金融教育として機能しています。