howを用いた慣用表現の中でも、ネイティブの会話に毎日のように登場するのが「how about」と「how come」です。一見似たような文字列ですが、使われる心理状態や文脈は全く異なります。
「how about」は、主に相手への提案や打診、あるいは軽い問い返しを行う際に用いられます。日本語では「〜はどうですか?」「〜しませんか?」と訳されるのが一般的です。「How about a cup of coffee?(コーヒーでもいかがですか?)」といった誘いの場面や、「I'm ready. How about you?(私は準備できたけど、あなたはどう?)」というボールを投げ返す場面で活躍します。なお、類似表現の「what about」が潜在的な問題点や懸念事項を指摘するニュアンス(〜はどうするつもりなの?)を帯びやすいのに対し、how aboutは純粋に前向きな提案として機能する傾向があります。
一方の「how come」は、理由を尋ねる口語表現で、日本語の「なんで?」「どうして?」に相当します。文法的な最大の特徴は、whyと異なり「How come + 主語 + 動詞」という平叙文の語順がそのまま続く点です。例えば「How come you're not eating?(なんでご飯食べてないの?)」といった形で使われます。
how comeの背後には、単なる事実確認にとどまらない「意外だ」「予想と違って不思議だ」という話者の驚きや困惑の感情が色濃く反映されます。論理的な理由を冷静に問う「Why」に比べ、感情の温度が一段高い口語表現であることを意識しておくと、映画のセリフや同僚との雑談での解釈がぐっと深まります。