昔のホストクラブを語る上で避けて通れないのが、バブル期特有の豪快な金銭感覚と、長年業界の慣習となっていた「売掛(ツケ)」のシステムです。
1980年代後半のバブル期には、不動産や株式で巨万の富を得た顧客が毎夜のように高級ブランデー「ルイ13世」や「ロマネ・コンティ」を注文し、一晩で数百万円から数千万円が飛び交う光景が日常茶飯事でした。ホスト側も浴びるように酒を飲み、まさに「体を張って札束を稼ぐ」肉体労働的側面が色濃く残っていました。
一方で、顧客が手持ちの現金を持たずに飲食し、後日支払う「売掛」は、店舗ではなく担当ホスト個人が客の飲食代金を肩代わり・保証する構造となっていました。これが顧客に対する過剰なプレッシャーやトラブルの発端となるケースも少なくありませんでした。
しかし、近年の社会問題化や法規制の強化、警察の指導を受け、2026年以降は歌舞伎町をはじめとする全国の主要グループで「売掛の原則廃止」が完全に定着。クレジットカード決済の事前確認や明朗な料金提示が義務付けられ、昭和・平成初期の不透明でハイリスクなシステムは過去のものとなりました。