トヨタのプリウスやアクア、日産のe-POWER搭載車など、国内で膨大な台数が走るハイブリッド車の多くは、車室内の空気を取り込んでバッテリーパックに送り込む「空冷方式」を採用しています。吸気口は主に後部座席の足元やシート側面に設置されていますが、ここが構造上のアキレス腱となっています。
足元に浮遊する衣服の綿ボコリ、砂埃、そして車内に同乗させた犬や猫の抜け毛が吸気グリルを通り抜け、内部のHVバッテリー冷却用フィルター目詰まりを引き起こします。フィルターをすり抜けた微細なゴミは、奥にあるシロッコファンの羽根に雪だるま式に付着し、風量を大幅に減衰させてしまいます。
このトラブルには明確な前兆があります。代表的なものがトヨタハイブリッド冷却ファン異音です。後部座席あたりから「ブーン」「キーン」という掃除機のような唸り音が普段より大きく聞こえたり、走行開始直後からファンが最高回転数で回り続けたりする場合、システムが必死に風量を確保しようと悲鳴を上げている証拠です。
これを放置すると、ファンモーターの焼き付きによる故障だけでなく、冷却ダクト内部にホコリが堆積して完全な窒息状態に陥ります。定期的な冷却ダクトホコリ除去メンテナンスや駆動用バッテリー冷却ファン清掃を実施していれば数千円から1万〜2万円程度で済んだものが、セルの致命的な熱劣化を招き、高額修理へと発展してしまいます。