高英姫は金正日との間に、1981年に長男の金正哲(キム・ジョンチョル)、1984年に次男の金正恩、そして1987年に長女の金正与(キム・ヨジョン)を出産しました。この3人の子供たちこそが、現在の北朝鮮を動かす中枢グループです。
かつて後継者の最有力と目されていたのは、長男の金正男でした。しかし高英姫は、自身の息子たちを後継者へ押し上げるべく、周到な権力闘争を展開します。朝鮮人民軍の幹部たちを自宅に招いて関係を深め、軍部内に「高英姫シンパ」を形成していきました。
おとなしい性格の長男・正哲よりも、気性が激しく統率力に長けていた次男・正恩に早くから帝王教育を施し、金正日に対しても「正恩こそが後継者にふさわしい」と強く進言し続けたとされています。現在の金正恩政権の誕生は、高英姫の緻密な政治的立ち回りが決定打となったのです。